架空の担降りブログ

ぜんぶフィクションです

担降りブログに憧れるあまり架空のアイドルを作り出して担降りした話~熱愛発覚編~

 関東地方が梅雨明けを迎えた。TDCでサマ楽*1が始まった。さっそく太陽はこれでもかと輝きを増して、気温が35度を越える猛暑日が続いている。カラリとした熱くて暑い夏が始まるはず、だった。

 私は、いまだじっとりと湿った梅雨の夜の中にいる。
 6月のあの日から、私の梅雨はたぶん一生明けない。
 もう明けないので、やめることにした。
 これはそういう、ただのオタクのくそみたいな恋「のようなもの」の、終わりの話です。

 遡ること2年前。まだたった2年前といえばそうなのだけど、たぶん人生でいちばん好きだった。いや、好き、というより執着に近い。恋と呼びたかったけど恋ではなく、ただのオタクの好きという暴力でしかなかったともいえる。その暴力的な感情を得たのが、2年前のサマ楽だった。
 当時高校2年生だった私は、オープンキャンパスを口実に初めて東京は水道橋に降り立った。その1年くらい前に友達から猛烈にすすめられて、まんまとハマってしまったトーカク*2。TVや雑誌をせっせとチェックして、少ないお小遣いで必死にCDや円盤を買い集めた。そして、とうとう念願のライブに初参戦できることになった。「トーカクパラダイス~TDC7月革命~」*3の看板をみるやいなや、友達といっしょにきゃーきゃーわめいて写真を撮った。制服。前日に行った夢の国のでっかいぬいぐるみをつけた鞄。そこからはみ出す「投げチューして」のうちわ。すべてがはじめてのドキドキとワクワクでいっぱいだった。

 結論からいうと3秒に1回は失神したみたいになって、最終的に召された。天に。いや、ミカドに。
 ミカド。三日月透くん。
 好きで愛しくてしんどくてたまらなかった私の元、担当。

 10月革命の振り付け経験もあるダンス担当。トーカクで唯一バク転ができる運動神経の持ち主。ひょうひょうとして何でも器用にこなすタイプだけど控えめでいつも自信なさげ。努力を絶対みせなくて、みんなを後ろから支えるような優しさと大きな愛のある人。おだやかで気品がある人。 サマ楽のミカドは絶好調だった。ビジュアルも、ダンスも。
シンメの青ちゃん*4とのユニット曲のことは一生忘れない。ふたりの完璧すぎるスタイルを生かす椅子の演出。伏し目がちな投げキッス。「愛おしいものを見つけた」という歌詞のときの、弾け飛ぶような動き。脳天に落ちた恋の稲妻が光るイメージだ、と雑誌でミカドが言っていたのを見て、まさしくそれだと思った。私の脳天に落ちた恋の稲妻も、さらに輝度を増した。
 寝ても覚めても、ミカドのこと好きで好きで。燃える想いを伝えたくて、手紙にしたためて、出待ちの列にも並んだ。ブログの写真の場所を特定して、友だちと行ってみたりもした。ファンサうちわもいっぱい作った。始発で並んでグッズを買った。アクスタといっしょに眠った。チケットがどうしてもとれなくて泣いた。友だちに救済してもらって泣いた。ブログの更新で泣いた。泣いて泣いて、たくさん笑って、好きで、苦しくて、うれしくて、幸せだった。ミカドと会うために、バイトもゼミも実習も超がんばった。つらいときもうれしいときもミカドがいるから頑張れた。わたしの芯はまごうことなくミカドだった。

 じっとりと肌にまとわりつく湿気で眠れなかった深夜2時。twitterを開かなければよかったと後悔した心から丑三つ時。
 一昨年朝ドラ「さといもまみれ」で共演したモデルの九 夏鈴ちゃん*5。その隣で、心から幸せそうな顔で、1枚の写真を見つめている、それは、毎日毎日穴があくほど見つめて、見つめ続けたミカド。白黒の画質が悪いリーク記事でもわかるくらい、温かくて、幸せで、美しくて愛おしい写真だった。
 見惚れる間もなく、全身の血の気が引いた。
 「夏鈴は妊娠3か月」の文字。
 時計の秒針の音が大きく響く感覚がする。世界が急に壊れて、生きている心地がしなくなった。
 嘘だ、嘘だと思いながら、毎秒嘘だと願いながら過ごした1週間。心を粉々に砕いた、またしても丑三つ時の午前2時。

「10月革命三日月&モデル九 結婚会見へ」。

 真夜中にも関わらず絶叫した。そこからは一睡もできなかった。徹夜で朝のニュース番組をみて、それが事実だと知り、大学もバイトも休んだ。朝からストロングゼロを3本開けて、吐き気をこらえながら毛布を頭からかぶって記者会見を見た。

 

 そうきたか、と思った。


 彼らはまず、交際と妊娠を認めた。真剣だ、と前置きをした上で、事実婚をすると言った。
 わたしは素っ頓狂な声を上げながらtwitterを開いた。

「ハァ??????」
「いやトーカク新しすぎないか」
「えっ」
「僕たちはお互いを、そしてお互いの名前を、自分の名前を愛しています。なんて言える三日月くん超かっこいい・・・」
「いやだめだろそれ」
「クソ」
「超いい男だ」
「かりんちゃんがんばれ」

 爆速で流れるTLを追いながら、自分の気持ちを整理しながら、会見をみつめた。ミカドがマイクを持った。
「戸籍に縛られないだけで、彼女も、生まれてくる子も、大切な家族に代わりはありません。その証明は、書類ではなく、今この記者会見を見ているすべての方にお願いしたく、本日会見を開いた次第でございます。」


 んなもん出来ねぇよ!!!!アイドルのすることじゃねぇぞそれは!と大きな声で叫んだ。

 そして死にたくなった。グループの中でいつも控えめな調整役のミカドが、あのミカドが。震えるかすれた声で、時折うらがえりそうになりながら懸命に、誠実にこちらに伝えようとしてくるその決意を見て、それを絶対に認められない自分が害悪すぎて無理だった。
 好きにならなければ良かった。私もミカドも苦しむことはなかったし、苦しめることもなかった。

 

あの日からのtwitterのつぶやき抜粋。

いや、全ジャニオタが憧れるくらい美しすぎるスキャンダル写真では?????????

(丑三つ時の第一声。一見冷静だがハラワタとんでもない)

夢じゃねぇなこれ。

(朝7時)

ガチ恋といえば私ですけど。無理、マジ無理。

(朝7時。そろそろハラワタ爆発し始める)

いやもうほんと無理なんですけど!!!!MURIMURIMURI

だって私、あの子好きだもん。め・た・く・そお似合いじゃないすかァァァァアァア???

(いやギンタm*6

むり夏鈴ちゃんかわヨすぎる。まじ最高カップル。婚姻しやがれおめでとう

(婚姻しないんだなこれが)

いやでもだいぶつらい。みかどっちのファンサがうちわなしにもらえる世界に行きたい。

(うん、行きたい)

つらい~~~死にたい

(死にたいなんていっちゃだめだけどめっちゃわかる)

今死んで透ぱぱと夏鈴ままのむすめにうまれかわりたい

(会見中。メンヘラ本格発動)

パッパと結婚する!!って言ってママとガチ喧嘩しなきゃ

(ミカドはらいおんハート至上主義だからたぶん勝てない)

そして10歳のときに白血病で死にたい。
ぱぱ、ぱぱ、わたししあわせだったよってつぶやきながら透ぱぱの胸で死ぬ

マッマ母乳くれ

ミカドはやっぱり最高の男だよ。それを心から祝えない私がクズなんですーーーすみませーーん!!ばーーーか!ばーーーか!しあわせになりやがれ!

あ、わかったけっこんしよ。こども産もう。そんでみかかりんの子どもとけっこんさせよう。それしかない。

かれし ほしい

 そしてこのあとわたしは思いあまってほんとに合コン行った。3回行った。1回は収穫なしで、2回は連絡先交換して1回ずつデートしたところで連絡が来なくなった。つまりはフラれた。
 いよいよ死にたいと思ったところで、思いもかけないところで花が開いた。
 というわけで、ちょうどいいタイミングだしオタクやめます。
 グッズ、捨てられてない、けど。
 またいつか、アイドルに魅せられる日がくるかも知れないけど。とりあえず。
 たくさんのきらめきとときめきをありがとう。ミカドっち。大好きでした。好きをふりかざして、ミカドを苦しませてごめんね。
 だけどこれを、恋だったって言ってもいいかな。

 

 

追記。


昨日の私のつぶやき(友人の付き添いで行った、村木朝希*7主演舞台「DON'T STOP!」観劇後)

ねーーーー!!きっきの演技マジでやばかったぁぁぁぁ
号泣した、ねぇちょっとすごいよほんときっき!!!
あと踊るとか聞いてないし!!!足さばき!足さばき!あしさばき!

またいつか、は案外近いかもしれません。

*1:「サマーNo.1楽園天国」という名の架空の夏コン

*2:天使のようなビジュアルの10人組アイドル「10月革命」の略称。もともと4人だったがメンバー脱退により今のところリリースごとにメンバーが変動するトーカクJr7人を加えた3+7人組として活動中

*3:10月革命の、3+7人体制になって初の夏コンサート。

*4:高橋ウリエル青くん。トーカク正規メン最年少。リトアニアとのダブルで176cm。見た目はバルト三国、しゃべると津軽弁のギャップが素敵なさわやか青森人。

*5:いちじく かりん。トルコの血を1/8くらい引いている架空の雑誌モデル。クールっぽく見えて女子ドルオタで女子人気抜群。最近ドラマやバラエティでも活躍中。

*6:架空のまんが。最近完結したかもしれない

*7:https://kakuunotanori.hatenablog.com/entry/2019/05/22/223319参照

架空のアイドルのメンバー紹介をしたい話

 坦降りブログ*1を書いて早数週間。思いもかけず、たくさんの方に読んでいただけてとても驚きました。
 その後順調にヤーセル*2として成長し続けています。でもでも、もっとヤーセル増やしたい!ていうかARFAT情報少なすぎ!!!
 というわけで、ARFATド新規ですが、ARFAT紹介ブログを書いてみようかな~と思います。ヤーセルさん、間違ってたらこっそり教えてくださ~い!*3

★ARFAT★
・読み方はアラファト。由来は全員の名前のイニシャル。ノーベル平和賞級の活躍をするようにという願いが込められているとかいないとか。
・ジュニアの5人組グループ。デビューはしていない。
・結成4年。結成日は11月11日。えび*4のIXSAコン*5にてグループの結成が発表された。もともと全員無所属。
・グループの最大の売りは激しいダンス。アクロバットが得意。
・見た目はけっこう治安が悪い。


★メンバー紹介★

不憫な最年長萌えのあなたに贈る極上哀ドル。幸薄い笑顔にやられるサブカル女子が急増中
A 荒木彩日人(あらき・あやひと)
・ニックネーム あーや、あやひ
・カラー 東雲色
・生年月日 2月29日(26歳)
・血液型 A型
・きょうだい 血のつながらない姉と妹
・入所日 2004年秋(ふかみんと同期)

最年長で高身長。アラファトの議長*6
クールに見えてドジ。なんか下北にいそう。
治安の悪さはこの人の見た目のせい。でもお人好し。アイドルなのに職務質問されること計12回*7
歌って踊るときはめちゃくちゃ輝くのに普段のオーラのなさは何なのか。マジでスキャンダルがないのは本当にモテないんだと思う。
ラップもできるしアニメやまんがのサブカル知識も豊富で、動画サイトでの経験を経て、しゃべりも最近めっちゃうまくなった。
とりあえず不憫といえばこの人。あなたが推さずにだれが推す。


生身でむきだしな野生を愛でるサファリパーク的感覚が味わえる新時代アイドル。応援するだけで気持ちがギャルになれる
R 野田光斗(のだ・らいと)
・ニックネーム 光斗、らいてぃん
・カラー 菜の花色
・生年月日 7月10日(21歳)
・血液型 B型
・きょうだい 弟ひとり
・入所日 2010年冬(あきらと同期)

我が道を行くらいてぃん。アラファトの内面の治安はこの人にかかってる(笑)。
いちばんちびっ子、いちばんナマイキ。20歳すぎてもまだまだ反抗期なヤンチャ坊主。だがそこがかわいい。
反骨精神はみんなのことが大好きだからなクソツンデレ。けっこう泣き虫。ありのまま素でアイドルやってる素直さと危うさにシビれる。
クロバットマスターであり、側宙は天下一品。パルクールもできちゃう野生人。
女好きでおっぱい星人なので、意外にファンサもする。わりとアイドルは天職だと思うから、スキャンダルは起こさないでね。

オールマイティ型で安定感アリ。幸せにしてくれるのは断然ふかみん。マダムキラー。
F 斉藤深海(さいとう・ふかみ)
・ニックネーム ふかみん、深海魚
・カラー 群青色
・生年月日 8月17日(26歳)
・血液型 O型
・きょうだい 妹ひとり
・入所日 2003年夏(あーやと同期)

頼れるしっかり者のふかみん。あーやに次ぐ高身長。顔は馬なのにニックネームが深海魚とはこれいかに。
安定感抜群なザ・アイドル。ライブ中のウインクでよく人を殺す。でも結構変態。脚フェチ。
料理好きで釣りが趣味。冷静なしきりで淡々と仕事をこなすタイプなのに、あふれる無駄知識でたまに動画で荒ぶる。特に料理のコネタがうるさい。かじえもんかな?*8
あやふかアラファトツインタワーのキレキレダンスは見事。


とにかくかわいがりたい人は晃良。ファンは全員もれなくモンスターペアレンツ
A 井上晃良(いのうえ・あきら)
・ニックネーム 晃良
・カラー 江戸紫
・生年月日 11月1日(18歳)
・血液型 A型
・きょうだい 姉と兄
・入所日 2010年冬(らいてぃんと同期)

みんなの弟あきらちゃん。
見た目は完全に天使。トーカク*9抜擢もうなづける!
なのに中身は小学生。どうしてこんなにバカなんだくそかわいいぞこのやろう
動画での悪ふざけがすぎる。でもかわいいから許しちゃう。
意外に動きは機敏でスチャスチャ動く。ダンスの感じはダンスモンスターきっきと意外にあう。


いつの間にか大好きだった幼なじみ、それがきっき。うざったいけど確実に愛で心を満たしてくれる、家族みたいなリア恋彼氏
T 村木朝希(むらき・ともき)
・ニックネーム きっき、むらきっき
・カラー 浅葱色
・生年月日 4月13日(24歳)
・血液型 O型
・きょうだい 姉ひとり
・入所日 2005年春(イッチと同期)

熱血バカ一代。とにかく熱くて暑苦しいけど顔がいいから許せ。
マジできっきがいないアラファトはヤバいってくらいの精神的支柱。上2人は同期でずっとシンメ、下二人も同期でずっとシンメとかいう地獄みたいな構成のグループを暑苦しい愛でつなぐ人なつっこい真ん中っこ。
とにかくダンスモンスター。長すぎる手足を器用に使って舞い踊る。グループにひとりはいる振り付け担当。高音がきれいな歌声にも注目。ただし頭脳は壊滅的で、恐ろしいほどクソバカである。
趣味はスノボと昆虫採集。好きな昆虫はミイデラゴミムシ*10。ペットはニシアフリカトカゲモドキ*11のまんじゅうちゃん。


以上でメンバー紹介を終わります。
そのうち担当始めましたブログとか、動画レポとかライブレポとか楽曲レポとかも書きたいな。

*1:担降りブログに憧れるあまり架空のアイドルを作り出して担降りした話。 - 架空の虚構

*2:ARFATのファンネーム。実在の人物は関係ありません。ファンネームの名付け親はきっき

*3:おもしろい設定考えて教えてください

*4:実在のグループとは関係ありませんが、デビュー7年目のめちゃくちゃ多幸感にあふれるスーパーハッピーななんでもできちゃうトンチキNGナシグループ。体力おばけであり、アクロバットと激しいダンスが特徴。みんなARFATの兄貴分的な。

*5:イクサコンと読みます。デビュー6年目、全国8都市15公演。

*6:リーダーのこと。ネーミングはきっき

*7:記録更新中

*8:実在の人物とは関係ありません。家事が得意なんだろうね。

*9:デビュー5年目の4人組グループ「10月革命」の通称。天使のようなルックスと歌うまが売り。追加メンバー「トーカクJr」に選ばれ、ARFATと兼任している。

*10:実在の昆虫。三井寺歩行虫。いわゆるへっぴりむし。高温のガスを出す。しくみがめちゃめちゃ科学的でおもしろいから好きらしい

*11:実在の爬虫類。てざわりがとってもいい、地味な色のトカゲちゃん。ねむそうなかおがかわゆい。

担降りブログに憧れるあまり架空のアイドルを作り出して担降りした話。

 このたび、3年半つとめた市瀬陽翔*1くんの担当を降りることにしました。激重ポエミーですが、しばらくの自分語り、おつきあいいただけましたら幸いです。

 わたしがイッチを初めて知ったのは、2016年の夏のこと。舞台「はらっぱ」*2の宣伝で、生瀬さん*3と出たトキカケ*4大学で応用昆虫学を専攻していたというイッチに、トキオメンバー*5が全員目をらんらんとさせたのを覚えてる。
 それから3カ月後、たまたま観たダッシュ*6。「あ!あのときの昆虫専攻の人!」。トリカヘチャタテというイグノーベル賞を受賞した虫*7。を探しに洞窟を探検してた。おでこにはりついた、ヘルメットごしの前髪が妙にセクシーで、ていうかめちゃくちゃお顔がいいなと気づいてすごくどきどきした瞬間、トリカヘチャタテのメスのペニスを顕微鏡で見て大興奮している、男子小学生みたいな無邪気な笑顔に虜になった。(我ながらマニアックすぎる、笑)
 すぐに動画サイトやまとめサイトで検索し、イッチのことを調べまくった。(後述するが、そのとき皮肉にも降り先となるjrの「ARFAT」*8のきっきこと村木朝希*9くんにもわたしは出会っていた。)「10月革命」*10という4人組グループのリーダーで紫担当。笑顔がかわいくて、大卒なのに発言がおばかで、擬音語が多くて。小鳥がさえずるみたいな高音が、綺麗に透き通ったような歌声で。ゆったりした省エネダンスさえ、天使が舞っているのかなって思った。あ、わたし、この人のことが好きだって思った。

 ジャニーズにハマるなんて思ってなかった。それまでジャニーズなんて興味なかったから。まさかもうすぐアラサーと呼ばれる年になって、そんな。
 足を踏み入れた沼は暖かくて、それからはめくるめく日々。
 たくさんライブに行った。生まれて初めて劇場に行ってお芝居を観た。ジャニショでお写真を買った。お手紙を書いた。うちわを部屋に飾った。カラオケにも飾って鑑賞会した。社会人になってから友達なんて経る一方だったのに、トーカク*11を通してたくさんできた。日本各地にできた。ひたすら、楽しくて幸せでふわふわしていた。いつでもイッチはかわいすぎる笑顔で、ゆるゆるに踊ってた。歌声は透き通って、歌詞が胸に響いた。
「いつもぼくを思い出して 死んでも思い出して ただひたすら生きて」*12このフレーズを思い出しては仕事のいやなこともどうにか乗り切った。だって、わたしのそばにはいつだってイッチがいたから。

 2017年のエモステ*13横アリで通路横があたって、はじめてまともにイッチのファンサを食らった。イッチから投げキッスをもらった瞬間、からだじゅうがしびれて、一回そこで死んだ。もう一生イッチを推すと心に誓った。
 なのに。それから2年もたっていないのに。私はこうして坦降りすることになっているのは何でなんだろう。

 

 あの、いわゆる10月クーデターさえなければ。

 

 思い出すだに、息が詰まる。
 永太の突然の脱退・退所・海外留学宣言*14それだけでも胸が本当に苦しい。なのに、さらに、7人Jrを追加するなんて本当にどういうことだか未だに意味が分からない。わたしはそこで初めて、4人の中で優しく笑うイッチが好きだったって、4人のトーカクが大好きだったって気づいた。
「10月革命は4人で10月革命でした。でも、永太がやめるってなっても、あらし兄さん*15たちと同じ選択はしちゃいけないって思ったんです。新しい歴史をつくりたいって。だって僕らはまだまだだから。革命の名に恥じない変革をしないとって」
 イッチは記者会見で前を向いてそう話した。そして、トーカクJrとしてトーカク4人が自ら選んだ7人のJrメンバーを追加して10人体制で行く、と告げた。そして、7人のJrの名前を呼んだ。
 晃良の名前が呼ばれた瞬間、私は本気で気を失った。
 そしてそのとき、わたしはとっさにきっきのことを考えた。
「きっきからシンメをとったのに、またきっきのグループからメンバー奪うの!?」
「イッチなに考えてるの!?」
「だいたい晃良は11月1日生まれだろーが!」*16
「あとメンバー入れ替え制ってなんだよその悪しき法!!!」
 怒りで人は死ぬ。憤死とはありうる話だと思った。そのとき私は目から血を流す勢いで憤っていた。憤りに憤った。憤り千万だった。
 あんなに天使に見えたイッチが悪魔に見えた。一晩でこんなに変わってしまうのかと泣いた。
 わたしのtwitterはお花畑から愚痴垢になった。かなしいかなしいって泣いた。自坦かわいい尊いっていえなくなった。TVにでているのも苦しくなった。
 なんでこんなに苦しくていやなんだろうってすごく考えた。つまり、イッチがきっきをいじめる加害者にしか見えなくなったってことだなと気づく頃には、ずいぶん、イッチのファンから遠いところにたどり着いてしまっていた。
 イッチとほぼ同時に入ったきっきは、イッチがデビューするまでずっとなかよしシンメだった。大卒なのに天然でぬけてるイッチと、体力バカで本気のバカな熱血きっき。同い年で同期の二人は、見た目も性格も正反対のようでよく似ていた。スノボが好きでふたりでよくゲレンデではしゃいだり、虫好きで標本を集めていたり、歌がとってもうまかったり。ダンスのスキルがあんまりないイッチに比べて、振り付けもできちゃうくらいダンスがうまいきっき。なんできっきじゃなくてイッチなのかって、当時のオタクはさんざん騒いだらしい。
 イッチのことを知れば知るほど、きっきのことも知れた。イッチがことあるごとにきっきの名前を出すから。だからきっきのこともどんどん好きになったし、きっきのグループのコンサートも行った。たぶん、この辺から少しずつ、わたしの気持ちは傾いていたのかもしれない。
 クーデターが起こってから、気力を失ったわたしがフラフラで行ったジャニワ*17
 舞台の上できっきを観た。長い手足をしなやかにのばし、どう考えても関節が人より多くないとできないような細かいフリを涼やかにこなした。だれよりも高く高く、空中を力強く転回した。あ、と思った。目の前で起こることのすばらしさに見とれた。しばらくぶりに息をした気持ちになった。
 わたし、ジャニオタだった。イッチを通して、意味の分からないキラキラが暴力的に降ってくる世界に魅せられたのだった。
 そこからはまた、めくるめく日々。きっきのことが頭から離れなくなった。イッチのことも少しずつみれるようになった。きっきがブログでいっぱいイッチの名前を出すから。そしてようやく、ふたりとも加害者でも被害者でもないことに気づいた。
 クーデターから半年。わたしはやっぱりジャニオタです。きっきのおかげでまた毎日が輝きはじめました。イッチの革命を見届けたい気持ちはあるけれど、それよりもきっきが報われる世界を瞬きもせず見守りたいと思いました。
 わたしは今、きっきが好き。だからきっきを心から応援したいと思います。

 

大学生のわたしへ。
その彼氏と別れてわりとすぐ、オタクになるよ。
よくわかんない自分磨きはすぐやめて貯金しな。
就活はなんだかんだうまく行きます。仕事、けっこう楽しいよ。
あとめちゃくちゃ面食いになるから覚悟しておいて。

 

イッチを担当し始めた3年半前のわたしへ。
 生まれて初めての自坦に戸惑ってるね。そこからめっちゃくちゃ楽しいよ!オタクばんざい!
 やりなおせるならここに戻って、イッチを加害者というフィルターでみることが絶対にない人生を歩みなおしたい。イッチは加害者じゃない。きっきも被害者なんかじゃない。今ならそんなのすぐにわかるのに、そしてこのときのわたしならきっとわかるのに。
 どこで道を間違ってしまったのかな。

 

トーカク坦、イッチ坦のおともだちへ。
トリカヘチャタテ出のわたしを快く迎えてくれてありがとう。
こんなに新しく友達ができるなんて思わなかった。
トーカクのことはちょっと遠巻きにみる感じになるけど、とかいってそこそこ課金する未来が見えるな。そしたら笑ってね。
愛方。ほんとあなたに会えたのがイッチ坦になって一番の財産っていえるよ。ありがとう。よければこれからもよろしくね。

 

イッチへ。
あなたに会えたこと、本当に幸せです。
3年半、応援させてくれてありがとう。
ついていけなくなってごめんね。あなたにとってのファンでなくなってしまう、自分がやるせない。
イッチは最高のアイドルです。いつまでもだれかのアイドルでいてね。
イッチ、革命成功させてね。

 

きっきへ。
 こんにちは。ジャニオタになってから、ずっとずっと心のすみっこにあなたがいました。はじめはイッチの元シンメとして。今は心のまんなかにあなたがいます。
 きっきが報われる日がこないなんて嘘だよ。だから、その日まで、お願いだからやめないで。
 わたしはアイドルとファンの距離で一生懸命ペンラをふって、お手紙書いて。ジャニショでお写真買って、いろんな要望出して、TVに少しでも映ったらいっぱいSNSで騒いで。アイランドTV*18もたくさん観るよ。どんなに後輩に抜かれても、たとえ光の当たらない舞台の端にいたとしても、わたしはあなたを見つけたい。デビューできない組と揶揄されたって、わたしにとってあなたはアイドルです。アイドルになってくれてありがとう。アイドルで居続けてくれてありがとう。
 もしも、わたしがついていけなくなる日がきても、あなたは絶対最高のアイドルです。あなたが笑えば、世界が救われるから。今この瞬間、わたしはあなたにすごくすごく救われているよ。自信を失いやすいあなたが決して自分を忘れずに、きっきらしく、幸せで居続けられますように。
 架空のあなたの幸せを、これから全力かけて応援するからね。 

*1:もちろん架空のアイドルです。デビュー5年目くらい?24歳。ジャニの4人組「10月革命」のリーダー。

*2:もちろん架空

*3:実在の人物ではありません

*4:実在の番組とは関係ありません

*5:だから実在ではありません

*6:架空です

*7:こちらは実在します。メスがペニスを持ちオスに挿入し精子を搾取するという超すごい進化を遂げてしまった虫。この虫のことを考えると女らしさ男らしさなんてどーでもよくなる

*8:ダンスが得意なジュニアの5人組。アクロバットが得意。グループ名は全員の下の名前のイニシャルから。歴史上の人物とはまったく関係ないが、しいていうならノーベル平和賞ものの活躍をするようにという願いがこめられているとかいないとか。でも見た目の治安はそんなによくない。リーダー的役割の荒木彩日人くんはリーダーではなく議長と呼ばれている。

*9:架空の降り先のアイドル。中堅どころのデビューしてない若手組。

*10:デビュー5年目。歌がうまくてビジュアルが天使のようによい4人組。ひとりリトアニアとのダブルがいる。10月デビューで全員10月生まれということで、革命を起こすグループになるようにという願いが込められている。史実とはもちろん一切無関係です

*11:10月革命の通称。

*12:デビューシングル「死んだように生きる」のサビ。

*13:8都市14公演のデビュー3年目のライブツアー「エモーショナル爆発ステーションツアー」

*14:フェミニンな魅力で人気だったエースの中西永太くん。海外留学といいつつ実はタイで性別変更手術を受けるためだった。のちにオネエアイドルとして事務所に復帰し大ブレイクする

*15:実在のグループとは無関係です

*16:きっきが所属するARFATの最年少18歳。ハワイ生まれで時差があるからオッケーらしい。このあと旧暦で10月だからオッケーなどかなりゆるゆるルールになる

*17:架空の舞台演劇。しょうますとごーおん。

*18:アプリで見れるジュニアの動画サイト。もちろん実在のものとは無関係です