架空の担降りブログ

ぜんぶフィクションです

担降りブログに憧れるあまり架空のアイドルを作り出して担降りした話~熱愛発覚編~

 関東地方が梅雨明けを迎えた。TDCでサマ楽*1が始まった。さっそく太陽はこれでもかと輝きを増して、気温が35度を越える猛暑日が続いている。カラリとした熱くて暑い夏が始まるはず、だった。

 私は、いまだじっとりと湿った梅雨の夜の中にいる。
 6月のあの日から、私の梅雨はたぶん一生明けない。
 もう明けないので、やめることにした。
 これはそういう、ただのオタクのくそみたいな恋「のようなもの」の、終わりの話です。

 遡ること2年前。まだたった2年前といえばそうなのだけど、たぶん人生でいちばん好きだった。いや、好き、というより執着に近い。恋と呼びたかったけど恋ではなく、ただのオタクの好きという暴力でしかなかったともいえる。その暴力的な感情を得たのが、2年前のサマ楽だった。
 当時高校2年生だった私は、オープンキャンパスを口実に初めて東京は水道橋に降り立った。その1年くらい前に友達から猛烈にすすめられて、まんまとハマってしまったトーカク*2。TVや雑誌をせっせとチェックして、少ないお小遣いで必死にCDや円盤を買い集めた。そして、とうとう念願のライブに初参戦できることになった。「トーカクパラダイス~TDC7月革命~」*3の看板をみるやいなや、友達といっしょにきゃーきゃーわめいて写真を撮った。制服。前日に行った夢の国のでっかいぬいぐるみをつけた鞄。そこからはみ出す「投げチューして」のうちわ。すべてがはじめてのドキドキとワクワクでいっぱいだった。

 結論からいうと3秒に1回は失神したみたいになって、最終的に召された。天に。いや、ミカドに。
 ミカド。三日月透くん。
 好きで愛しくてしんどくてたまらなかった私の元、担当。

 10月革命の振り付け経験もあるダンス担当。トーカクで唯一バク転ができる運動神経の持ち主。ひょうひょうとして何でも器用にこなすタイプだけど控えめでいつも自信なさげ。努力を絶対みせなくて、みんなを後ろから支えるような優しさと大きな愛のある人。おだやかで気品がある人。 サマ楽のミカドは絶好調だった。ビジュアルも、ダンスも。
シンメの青ちゃん*4とのユニット曲のことは一生忘れない。ふたりの完璧すぎるスタイルを生かす椅子の演出。伏し目がちな投げキッス。「愛おしいものを見つけた」という歌詞のときの、弾け飛ぶような動き。脳天に落ちた恋の稲妻が光るイメージだ、と雑誌でミカドが言っていたのを見て、まさしくそれだと思った。私の脳天に落ちた恋の稲妻も、さらに輝度を増した。
 寝ても覚めても、ミカドのこと好きで好きで。燃える想いを伝えたくて、手紙にしたためて、出待ちの列にも並んだ。ブログの写真の場所を特定して、友だちと行ってみたりもした。ファンサうちわもいっぱい作った。始発で並んでグッズを買った。アクスタといっしょに眠った。チケットがどうしてもとれなくて泣いた。友だちに救済してもらって泣いた。ブログの更新で泣いた。泣いて泣いて、たくさん笑って、好きで、苦しくて、うれしくて、幸せだった。ミカドと会うために、バイトもゼミも実習も超がんばった。つらいときもうれしいときもミカドがいるから頑張れた。わたしの芯はまごうことなくミカドだった。

 じっとりと肌にまとわりつく湿気で眠れなかった深夜2時。twitterを開かなければよかったと後悔した心から丑三つ時。
 一昨年朝ドラ「さといもまみれ」で共演したモデルの九 夏鈴ちゃん*5。その隣で、心から幸せそうな顔で、1枚の写真を見つめている、それは、毎日毎日穴があくほど見つめて、見つめ続けたミカド。白黒の画質が悪いリーク記事でもわかるくらい、温かくて、幸せで、美しくて愛おしい写真だった。
 見惚れる間もなく、全身の血の気が引いた。
 「夏鈴は妊娠3か月」の文字。
 時計の秒針の音が大きく響く感覚がする。世界が急に壊れて、生きている心地がしなくなった。
 嘘だ、嘘だと思いながら、毎秒嘘だと願いながら過ごした1週間。心を粉々に砕いた、またしても丑三つ時の午前2時。

「10月革命三日月&モデル九 結婚会見へ」。

 真夜中にも関わらず絶叫した。そこからは一睡もできなかった。徹夜で朝のニュース番組をみて、それが事実だと知り、大学もバイトも休んだ。朝からストロングゼロを3本開けて、吐き気をこらえながら毛布を頭からかぶって記者会見を見た。

 

 そうきたか、と思った。


 彼らはまず、交際と妊娠を認めた。真剣だ、と前置きをした上で、事実婚をすると言った。
 わたしは素っ頓狂な声を上げながらtwitterを開いた。

「ハァ??????」
「いやトーカク新しすぎないか」
「えっ」
「僕たちはお互いを、そしてお互いの名前を、自分の名前を愛しています。なんて言える三日月くん超かっこいい・・・」
「いやだめだろそれ」
「クソ」
「超いい男だ」
「かりんちゃんがんばれ」

 爆速で流れるTLを追いながら、自分の気持ちを整理しながら、会見をみつめた。ミカドがマイクを持った。
「戸籍に縛られないだけで、彼女も、生まれてくる子も、大切な家族に代わりはありません。その証明は、書類ではなく、今この記者会見を見ているすべての方にお願いしたく、本日会見を開いた次第でございます。」


 んなもん出来ねぇよ!!!!アイドルのすることじゃねぇぞそれは!と大きな声で叫んだ。

 そして死にたくなった。グループの中でいつも控えめな調整役のミカドが、あのミカドが。震えるかすれた声で、時折うらがえりそうになりながら懸命に、誠実にこちらに伝えようとしてくるその決意を見て、それを絶対に認められない自分が害悪すぎて無理だった。
 好きにならなければ良かった。私もミカドも苦しむことはなかったし、苦しめることもなかった。

 

あの日からのtwitterのつぶやき抜粋。

いや、全ジャニオタが憧れるくらい美しすぎるスキャンダル写真では?????????

(丑三つ時の第一声。一見冷静だがハラワタとんでもない)

夢じゃねぇなこれ。

(朝7時)

ガチ恋といえば私ですけど。無理、マジ無理。

(朝7時。そろそろハラワタ爆発し始める)

いやもうほんと無理なんですけど!!!!MURIMURIMURI

だって私、あの子好きだもん。め・た・く・そお似合いじゃないすかァァァァアァア???

(いやギンタm*6

むり夏鈴ちゃんかわヨすぎる。まじ最高カップル。婚姻しやがれおめでとう

(婚姻しないんだなこれが)

いやでもだいぶつらい。みかどっちのファンサがうちわなしにもらえる世界に行きたい。

(うん、行きたい)

つらい~~~死にたい

(死にたいなんていっちゃだめだけどめっちゃわかる)

今死んで透ぱぱと夏鈴ままのむすめにうまれかわりたい

(会見中。メンヘラ本格発動)

パッパと結婚する!!って言ってママとガチ喧嘩しなきゃ

(ミカドはらいおんハート至上主義だからたぶん勝てない)

そして10歳のときに白血病で死にたい。
ぱぱ、ぱぱ、わたししあわせだったよってつぶやきながら透ぱぱの胸で死ぬ

マッマ母乳くれ

ミカドはやっぱり最高の男だよ。それを心から祝えない私がクズなんですーーーすみませーーん!!ばーーーか!ばーーーか!しあわせになりやがれ!

あ、わかったけっこんしよ。こども産もう。そんでみかかりんの子どもとけっこんさせよう。それしかない。

かれし ほしい

 そしてこのあとわたしは思いあまってほんとに合コン行った。3回行った。1回は収穫なしで、2回は連絡先交換して1回ずつデートしたところで連絡が来なくなった。つまりはフラれた。
 いよいよ死にたいと思ったところで、思いもかけないところで花が開いた。
 というわけで、ちょうどいいタイミングだしオタクやめます。
 グッズ、捨てられてない、けど。
 またいつか、アイドルに魅せられる日がくるかも知れないけど。とりあえず。
 たくさんのきらめきとときめきをありがとう。ミカドっち。大好きでした。好きをふりかざして、ミカドを苦しませてごめんね。
 だけどこれを、恋だったって言ってもいいかな。

 

 

追記。


昨日の私のつぶやき(友人の付き添いで行った、村木朝希*7主演舞台「DON'T STOP!」観劇後)

ねーーーー!!きっきの演技マジでやばかったぁぁぁぁ
号泣した、ねぇちょっとすごいよほんときっき!!!
あと踊るとか聞いてないし!!!足さばき!足さばき!あしさばき!

またいつか、は案外近いかもしれません。

*1:「サマーNo.1楽園天国」という名の架空の夏コン

*2:天使のようなビジュアルの10人組アイドル「10月革命」の略称。もともと4人だったがメンバー脱退により今のところリリースごとにメンバーが変動するトーカクJr7人を加えた3+7人組として活動中

*3:10月革命の、3+7人体制になって初の夏コンサート。

*4:高橋ウリエル青くん。トーカク正規メン最年少。リトアニアとのダブルで176cm。見た目はバルト三国、しゃべると津軽弁のギャップが素敵なさわやか青森人。

*5:いちじく かりん。トルコの血を1/8くらい引いている架空の雑誌モデル。クールっぽく見えて女子ドルオタで女子人気抜群。最近ドラマやバラエティでも活躍中。

*6:架空のまんが。最近完結したかもしれない

*7:https://kakuunotanori.hatenablog.com/entry/2019/05/22/223319参照